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ニットとわたし

最終更新: 2018年7月5日

子どもの頃、母は種子島で

小さな毛糸屋を営んでいた。

南の島で毛糸なんか売れるの?と

思うかもしれないが、

海風が強いせいで、冬の体感は

なかなかの寒さなのだ。

毛糸を買ったら

無料で編みものを教えます、

というのが功を奏し、

8畳も満たない小上がりは、

いつも編みものをする

おばちゃんたちでいっぱいだった。


そこにいない人のウワサ話や

今晩のオカズ、怪しい健康法など、

女の人が5、6人も集まれば、

おしゃべりにいとまがない。

賑やかな店の中、幼い私は

余り毛糸とかぎ針を与えられて、

部屋の隅でいつも

一人遊びをしていた。


1本の糸がみるみる

平たい形になり、

それがマフラーやショールや、

セーターになっていくのを

見るのが好きで、

高校を卒業するころまで、

何もない日はほとんどの時間を、

母の店で過ごした。以来今日まで、

編みものは私の愉しみとなった。


あの小さな母の毛糸屋は、

ものづくりの楽しさや、

時間をかけて何かを

作り上げることの素晴らしさを、 私に染み込ませる経験をくれた、

原風景ともいえる場所だったと、

今にして思う。


さて現在の私はというと、念願の

グラフィックデザイナーになり、

独立して自宅を仕事場にした。

仕事の合間に編みものを

するので、ひどい肩こり持ちだ。

知り合いから声がかかり、

何度かギャラリーでの展示会に

呼んでいただいたのがきっかけで、

編むことが「仕事」になり始め

たのが2012年頃だろうか。

今は自宅でたまに、ちいさな

教室をやるようにもなった。


幼い頃になじんだあの原風景が、

何十年も経ったいま、

また目の前にあることが

不思議でならないが、

月に何日かお客さんと過ごす

「ニットの日」は、おかげで

とても楽しい時間になっている。


編みものは伝統的で、なおかつ

とってもクリエイティブな手仕事だ。

私は自分の頭の中にある、

「めっちゃ可愛いデザインの

ニットたち」を、実際に生み出せる

腕をもっと磨きたい。

そしてなにより創造的で

自由で精神性が高くて、飽きるのが

難しい編みものの愉しさを、

色んな人と共有したいと思っている。


なんとなく決意表明みたいに

なってしまったけれど、

今日は私の誕生日なので

言葉にすると叶いそうな気がする。

誕生日にブログ開設なんて、

乙女な感じで恥ずかしいが、

これはたまたまです。

これからのamuhibi knitを、

どうぞよろしくおねがいいたします。

(mikiko umemoto)


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